子どもの年齢が低い時に、「ヘルメットを被るのを嫌がる」とか「被ってもすぐ脱ごうとする」という経験をした方は多いのではないでしょうか。
私もその一人で、子どもがなかなかヘルメットを被らない結果、なかなか自転車が出発できず、困ったことが何度もありました。
そんな時にふと「そもそも、自転車に乗るときは子どもにヘルメットを着用させないと罰則があるんだっけ!?」と思いませんでした?
私は少し気になって、ヘルメットを着用させないと罰則があるのか、法律上どうなっているかについて調べてみました。参考になれば幸いです。
ヘルメットの着用は注意喚起のみであり、罰則はない
早速ですが、道路交通法を調べてみると、第63条の11に以下のように記載されていました。
(児童又は幼児を保護する責任のある者の遵守事項)第63条の11児童又は幼児を保護する責任のある者は、児童又は幼児を自転車に乗車させるときは、当該児童又は幼児に乗車用ヘルメットをかぶらせるよう努めなければならない。
引用元:道路交通法
「児童又は幼児にヘルメットをかぶらせるよう努めなければならない」、、、難しい表現ですね。笑
要するに、「注意喚起/努力目標であって義務ではない」ということです。そのため、警察に止められて罰金を払うなどの罰則はないということになります。
道路交通法における児童の定義は「6歳〜13歳未満」のことで、幼児は「6歳未満」のことを言います。
そのため、13歳以上はヘルメットを被るという努力目標もないことになります。
ということは、、、
「ヘルメットを被らなくてもよい?」
とは絶対になりませんよね。
子どもの安全面を考えるとヘルメットの着用は絶対に必要です。
自転車死亡事故の約64%が「頭部の損傷が原因」
まず、自転車事故が起きた時には主にどこを怪我してしまうのでしょうか。こちらのグラフをご覧ください。
引用元:交通事故分析レポート
自転車事故で主に怪我してしまうのは、総数としては頭部や脚部が多いです。
ただ、死亡事故の約64%が頭部の損傷となっています。約半数以上が頭部の損傷によるものです。
まず、これだけで頭部を守ることが重要になってきますよね。
ヘルメットを被らない場合は死亡率が4倍になる
続いて、事故が起きた時にヘルメットを被っていた場合と被っていなかった(もしくは脱げてしまった)場合の死亡率を示したグラフです。
引用元:交通事故分析レポート
このグラフから、ヘルメットを着用していた場合と着用していなかった場合では頭部損傷による死亡率が約4倍も変わることがわかります。
私は、「子どもに普段着用しているから大丈夫だなー」なんて思っていました。しかし、ヘルメットが脱げてしまうケースもあるため、きちんと装着しておかないと怖いなと改めて感じました。
そこでヘルメットが脱げてしまわないために、何を気をつければ良いのか、またどんなヘルメットを選べば良いのか、調べてみました。
ヘルメット選びで大事な3つのポイント
ヘルメット選びで大事なのは以下3点です。
- 頭のサイズ
- あご紐の長さ
- SGマークの有無
順番にご説明します。
1.頭のサイズ
まず、子どもの頭の平均サイズは以下の通りです。
- 6ヶ月~1歳:48cm
- 1歳~1歳6ヶ月:50cm
- 2歳~3歳:52cm
- 4歳~6歳:54cm
- 6歳~8歳:56cm
まずは、上記サイズを参考に、子供の大きさにあったヘルメットのサイズを選んでてください。
その上で、ダイヤル式のサイズ調節機能があるか、確認してください。ヘルメットの後ろにあるダイヤルを回せば、サイズが調整できるというものです。
引用:Nutcase
なお、「ブカブカだけど、そのうち大きくなるから」という考え方はやめておいた方が良いと思います。
ブカブカのままだと、ヘルメットを着用する意味がなくなってしまいます。
また、ヘルメットは消耗品です。ヘルメット内の発泡スチロールのクッションなどはだんだん、すり減ってきます。
各社メーカでは、ヘルメットは2〜3年を目安に買い換えることを推奨しています。
子どもが大きくなるにつれて、買い換えが必要になるので、ブカブカのものを選ばないのがおすすめです。
2.あご紐の長さ
続いて、あご紐の長さです。普通の帽子だと頭のサイズだけ気にすれば良いのですが、ヘルメットの場合はあご紐の長さも重要になってきます。
適切な長さとしては「あごとあご紐の間に、指が1本通るくらい」がよいです。
これよりも緩くなっていて外れやすいと結局ヘルメットをつける意味がなく、逆にきつくしていると、子どもに痛い思いをさせてしまいます。
また、ヘルメットを選ぶ際はあご紐の長さが調節できるものにしましょう。調節できるものは、あご紐がこのようになっています。
引用:helmet
3.SGマークの有無
出典 一般財団法人製品安全協会
製品の安全を保証し、対人賠償保険が付いてくるSGマークが付いたヘルメットを選んでください。
SGマークに登録されている自転車用ヘルメットはこちらから確認できます。
SGマークとは、単に「この製品は安全ですよ」というだけのものではありません。万が一の場合には示談折衝や損害賠償について、SGマークを管理している「一般財団法人製品安全協会」が対応してくれます。
万が一SG製品の欠陥により人身事故が起きた場合には、事故発生届を受け付け、被害者対応、事故原因調査、製品に欠陥があった場合の示談折衝や損害賠償措置の一切を製品安全協会が責任を持って対応します。また、これらの対応に必要な諸費用は製品安全協会が負担します。
引用 一般財団法人製品安全協会
まとめ
子どもを自転車に乗せる時にヘルメットを被せないことによって、罰則を受けることはないですが、安全面からは必ずヘルメットを被せた方が良いです。
また、ヘルメットを被せる時は「頭のサイズ」だけでなく、「あご紐の長さ」にも注意して被せてあげてください。
ちなみに、冒頭で書いた「子どもがヘルメットを被ることを嫌がる」とならないように、自転車に乗せ始めた時から常にヘルメットを被らせるようにしておくことも重要です。
もしもの事があっても、子どもは大丈夫な状態にしておくことが、親としての責任ですね。私も気をつけようと思います。
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