2016年4月に診療報酬制度が改定されました。それに伴い、薬局にお薬手帳を持参すると、薬代が安くなることになりました。ただ、安くなるためにはいくつかの条件を満たす必要があります。
今回は以下3点をお伝えします。
- 薬代がいくら安くなるか?
- 安くするための3つの条件
- なぜ薬代が安くなったか?(診療報酬制度改訂の狙い)
2016年4月以降からお薬手帳で薬代は安くなる!
いくら安くなるのか?

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2016年4月の診療報酬制度の改訂で薬局にお薬手帳を持っていくと、3割負担の方は40円、1割負担の方は10円、薬代が安くなるように変更となりました。
ただ、薬局に処方箋を持っていく時にお薬手帳を出すだけでは薬代は安くなりません。
薬代を安くする3つの条件

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薬代を安くするためには、以下3つの条件を満たす必要があります。
- 薬局の利用が2回目以降であること
- 前回の利用から6ヶ月以内(原則)であること
- 大病院の前などにある「大型門前薬局」以外であること
1、2の条件は比較的分かりやすいものだと思います。薬局の利用や6ヶ月を超えた場合、薬代は安くなりません。ちなみに、原則6ヶ月以内となっている理由は「1回の投薬が6ヶ月を超える場合の次回来局時などがあるため」です。
3つ目の条件が少しあいまいです。「大型門前薬局」とは、大きな病院の前にあって、その大きな病院の処方箋を受け取ることが多い薬局のことです。
自分が利用する薬局が大型門前薬局に当てはまるかどうかは、その薬局に確認するのが間違いないです。
なぜお薬手帳で薬代が安くなるようにしたのか?
一番の狙いはお薬手帳の普及
今回、診療報酬制度が改訂されて「お薬手帳を持っていくと薬代が安くなる」ようになりました。そのように改訂した理由は「お薬手帳の普及」にあります。
2015年度まではお薬手帳を持参しない方が薬代が安くなっておりました。そのため、薬局からお薬手帳を提供しようとしても、断る患者が多くいたそうです。お薬手帳を断る事で20円が減額となるため、節約術として紹介されていたほどです。
そんなこともあり、お薬手帳はあまり普及していませんでした。そこで今回はお薬手帳を持っていくことで薬代を安くし、お薬手帳を普及させようとしています。
なぜお薬手帳を普及させたいのか
なぜお薬手帳を普及させたいのかというと、お薬手帳による様々な効果が期待されているからです。
例えば、内科と皮膚科を受診して同じ痛み止めを処方されて両方の薬を飲んだ結果、胃が荒れてしまったなど、同じ薬を別の病院で処方されることの防止です。
また、飲み合わせの悪い薬などについても薬剤師からアドバイスをもらうことも可能ですので、市販のドラッグストアで購入した薬についてもお薬手帳に記載しておくのが良いです。
これらは薬局でお薬手帳を提示したケースですが、病院で医師に対してお薬手帳を提示することで、診察や投薬がスムーズに出来たというケースもあります。
東日本大震災が発生した時、被災地でお薬手帳を持っている患者と持っていない患者では診察のスピードが全然違ったそうです。
こうしたことからもお薬手帳の普及を目指しており、今回の改訂は良い改訂であったと思います。
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