最近、「ゼロ秒思考〜頭が良くなる世界一シンプルなトレーニング〜」という本を読みました。この本は2013年12月に出版されており、少し古い本ではありますが、私が求めている「作業効率の向上」というテーマに合致する内容で、紹介させていただきます。
この本では「頭が良くなる、ゼロ秒思考トレーニング」という非常にシンプルなトレーニングが紹介されています。
そのシンプルなトレーニングとは、「頭に浮かぶことを次々とメモに書くだけ」です。A4用紙1枚に1つのタイトルを決めて、頭に浮かんだことを1分以内に書いていくだけです。
詳しいことはこの後説明しますが、私はこのゼロ秒思考トレーニングを2ヶ月以上続けて、かなり作業効率が上がったと感じています。私にとっては、もはやトレーニングではなく、日常作業になってきています。
今回はゼロ秒思考トレーニングを紹介する前に、「そもそもゼロ秒思考とは何か」、「なぜゼロ秒思考が必要なのか」を説明します。その上で「ゼロ秒思考を身につけるためのトレーニング方法」、「実際にやってみた感想」について、紹介したいと思います。
ゼロ秒思考とは何か
まずはじめに、この本におけるゼロ秒思考のゼロ秒の定義はこちらです。
思い悩んでいる時間がゼロ秒にすること
また、この本では課題に対して思い悩む時間をゼロ秒にするスピードだけでなく、課題に対する解決策の質も求めています。
ある課題に対する「スピード」と「質」の到達点、それがゼロ秒思考であると言っています。
- 思い悩んでいる時間をゼロ秒にする(スピード)
- 問題の本質と全体像を押さえた確実な対策が打てるようになる(質)
この2つを完璧に手に入れたら、きっとすごい人になれる気がします。笑
でも、安心してください。
「究極はゼロ秒思考」と言っているだけであり、そこに近づける必要があるというのがこの本の主張です。
なぜ、ゼロ秒思考に近づける必要があるのか
でも、「そんなにすぐ判断すると失敗してしまうのでは?」と思いますよね。私もそう思ってました。ただ、この本を読んで「確かにそうだ!」と思ったことが2つあります。
時間をかければ良いアウトプットが出せるわけではない
この文章を読んだときに私が以前、企業の研修の講師をしている友人から以下のような話を聞いたことを思い出しました。
◆友人Aの話
「研修のアンケートに、「研修における課題の作業時間が短すぎる。これでは良いアウトプットが出せない」というクレームに近いことを書かれることがある。
そのアンケート結果を見て、10分だった時間を15分や20分に延ばしてみた。でも、結局アウトプットの品質は上がらなかった。1時間とかまで延ばしたことはないが、アウトプットの質の悪さは時間の問題ではないと思う。」
という話でした。
つまり、ある一定の時間をかければ、それ以上時間をかけても品質はそこまで上がらないということだと思います。(ある一定時間の定義は難しいと思いますが、、、)
この本にも以下のような文章がありました。
重要な課題だから午後一杯かけようとか、朝まで議論しようといったやり方を好む人が時々いる。
(中略)
もちろん仕事した気にはなる。徹底的に議論すると、充実した一日を過ごしたような気にはなる。ただ、それで今の企業に必要な意思決定のスピートを出せるのかというと、はなはだあやしい。
私は、この話には多いに賛同します。ある意味、残業したから仕事した気になっているに近いような話ですね。
会社で無駄な議論をするぐらいなら、早く帰って家族と過ごす時間を1秒でも長くした方が良いです。
ゼロ秒思考を身につけるためのトレーニング方法
著者赤羽雄二様のfacebookコミュニティ「「ゼロ秒思考」メモを書いて悩みをなくし、頭を整理しよう」より
ここまでの内容で、ゼロ秒思考を身につける意味合いを感じていただいた方は、この後のトレーニング方法を実践してみてください。
トレーニング方法といっても、やることは非常に簡単です。一番大事なのは、継続するモチベーションです。
準備するもの
- A4用紙
- ボールペン
準備するものは「A4用紙」と「ボールペン」のたった2つです。ただ、「A4用紙」は100枚以上必要です。そのため、何かの裏紙を使うなどして経費を抑えてください。
また、「ボールペン」はなるべくスラスラかけるものがよいです。新しくボールペンを買う必要まではないですが、本の中では直液式の水性ボールペンをオススメしてました。(私は家にあったボールペンを使ってますが、特に問題はないです。)
やり方
トレーニングのやり方は冒頭でも書いた通り、「頭に浮かぶことを次々とメモに書くだけ」です。その他のルールは以下のようなものです。
・A4用紙を横向きにして手書きで書く
・書く内容は「タイトル」「日付」「メモ」の3つ
・タイトルは悩みや問題点等、何でも良い
・メモはタイトルに従って20〜30字程度を4〜6行書く
・A4用紙1枚に1分で書く
サンプルとして私が書いたものを紹介します。
左上にタイトル、右上に日付を書けば、後は箇条書きで思いついたことをメモするというのが基本スタイルです。これを1分という制限時間のもと、書きまくるトレーニングです。
実際にやってみた感想
やり始めた時は1分で2行程度
やり始めた時は1分で2行程度(1行10文字程度)でした。
途中で「字を綺麗に書こう」とか「タイトルを少し変えた方がよいかも」とか余計なことを考えてしまってペンが止まったりして、1分経っても3行程度しか書けませんでした。
ただ、徐々に慣れてくると「自分が少し読めたらよい」、「似たようなタイトルでもう1枚書こう」といったように余計な考えに対して、割り切りが出来るようになりました。
2ヶ月経った今では4〜6行程度(1行15文字程度)になってきており、徐々に成果が出てきたかなと思います。今でも詰まって書けないときはありますが、、、
「重要だが、面倒な作業」を後回しにしなくなった
今までは「この作業は重量だけど、何かやりたくないな、後回しにしたいな」と思って作業を放置することがありました。
ただ、「なぜこの作業をやらないのか」というタイトルでメモ書きをやることで「やらない理由、後回しにする理由」が明確になってきます。
明確になってから気づきましたが、後回しにしていた理由は、大体大したことのないものです。大したことない理由が2、3個集まって、面倒な作業と思ってしまっていました。
その結果、「なんだこの程度ならやってしまおう」と思い、面倒な作業を後回しにしなくなったなと強く感じます。
1度この経験をすると、それ以降は「面倒だな」と思っても「メモ書きしよう」が習慣となり、今では面倒だなと思う作業自体が減ってきた気がします。(もちろん、本当に面倒な理由の時もありますが。笑)
私は「メモ書きをやって一番の成果は?」と問われると、この成果が一番ですと答えます。
頭で考えていることを言葉にすることは難しい、でも出来るようになる
本にも書いているのですが、「頭で考えていることを言葉にするのって難しいな」と痛感しました。
「何となくあの人のことが嫌い」とか「なぜか、あの人とは話が合わない」ということってあると思います。
その「何となく」とか「なぜか」という感覚、それを言葉にするとどのような表現になるかと言われると難しいですよね。なぜ難しいかと言うと、「何となく」で思考を止めているからです。
ただ、このメモ書きをやることで、この「何となく」で思考を止めていたことをより深堀するようになります。
「何となくあの人が嫌い」から深堀すると、
・見た目が嫌いなのか、性格が嫌いなのか
・性格が嫌いな場合、どのような性格が嫌いなのか
・性格が嫌いと感じるのは、いつ、どのような場面で嫌いなのか
等々
どんどん出てきます。
で、「会議の場面で味方と思っていたら、急に相手側の立ち位置で攻撃してくるような行動を取るから、嫌い」というような理由が見えてくるわけです。
この理由に対してどのような対策を取るかについても、また同じように「どうすれば会議の場面で味方になってもらえるのか」や「どうすれば嫌いと思わないようになるか」等のメモ書きをやることで、思考がクリアになっていきます。
一番大事なことは「思考を止めない」ことで、メモ書きはそれを手助けしてくれるツールだと思います。
まとめ
仕事などで、考えがまとまらない、悩むことが多いという方は、是非ゼロ秒思考トレーニングをやってみてください。解決の糸口が見えてくるかと思います。
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