新しいMacBookProにはUSB-Cが採用されたことで、利便性が下がったという声が多く上がっています。
ところでUSB-Cとは何でしょうか。USB-Cは新しい規格なのに、本当に利便性は下がってしまったのでしょうか。
また、USB-Cと普段使っているUSBとの違いは何でしょうか。普段使っているUSBにも、USB2.0やUSB3.0などいろんな種類があります。また、USB-AとかmicroUSBとか、、、何が何だかわからないですよね。
というわけでUSBの様々な種類や規格について整理しました。
USBとは?
USBとはUniversal Serial Bus(ユニバーサル・シリアルバス)という規格の略称です。コンピュータに周辺機器を接続するためのシリアルバス規格の1つです。
昔はキーボードやマウス毎にコンピュータに接続するための規格が用意されていました。それだとかなり大変ですよね。
パソコンには、キーボード用の差し込み口とマウス用の差し込み口など、色んな差し込み口が用意されていた。。。昔のパソコンがでかくなってしまうのも納得ですよね。
それら多数の規格をまとめたのがUSBという規格です。
USBには転送速度の規格とコネクタの形状の種類がある
日常生活でUSBと言われると、想像するものはこのようなコネクタではないでしょうか。
これは確かにUSBなのですが、正しくはUSB Type-Aといいます。さらに正確に言うと、USB 3.0 Type-Aです。
まず、「USB 3.0 Type-A」の「3.0」という数字は転送速度の規格です。転送速度にはそのほかにもUSB1.1やUSB2.0などの規格があり、最新の規格は3.1です。
続いて、「USB 3.0 Type-A」の「Type-A」とはUSBコネクタの形状のことです。形状にはそれ以外にもType-BやType-Cなどがあります。
USBの転送速度とコネクタ形状一覧
USBの転送速度の規格は全部で4つあります。
- USB1.1
- USB2.0
- USB3.0
- USB3.1
続いて、USBのコネクタの形状は全部で7つあります。
- USB Type-A
- USB Type-B
- USB Type-C
- Micro USB Micro-A
- Micro USB Micro-B
- Micro USB3.0 Micro-B
- Lighting
数が多いので、これだけ見ると、さっぱりわかりませんね。笑
以降、USBの転送速度の規格とコネクタの形状に分けて、ご説明したいと思います。
USBの転送速度の規格
規格 | 発表年 | 転送速度 (Mbps) |
USB 1.1 | 1989年9月 | 12 |
USB 2.0 | 2000年4月 | 480 |
USB 3.0 | 2008年11月 | 5,000 |
USB 3.1 | 2013年7月 | 10,000 |
USB 1.1
USB 1.1は1998年9月に発表された規格です。1998年はWindows 98やiMacが登場した年であり、これらのパソコンには標準でUSBが適用されていたことからUSBが大きく普及しました。
ちなみに、USB1.0は1996年1月に発表されていますがあまり普及せず、USB1.1にてUSB1.0の電源管理等を改善しております。
参考 USBIF
USB 2.0
USB 2.0は2000年4月に発表された規格です。USB1.1に、High Speedモード(最大480 Mbps)を追加したのがUSB2.0です。
参考 USB2.0って何?
USB 3.0
USB 3.0は2008年11月に発表された規格です。転送速度が5Gbpsであり、USB2.0と比べて約10倍の速度になりました。
USB3.0の見分け方
USB3.0はUSB1.1/2.0と区別するためにコネクタのソケット部分には青色が使用されています。USBの中を見れば、一目瞭然です。
USB 3.1
USB 3.1は、2013年7月に発表された規格です。USB 3.1は、USB 3.0の「SuperSpeed(転送速度5Gbps)」モードに加えて、「SuperSpeedPlus(転送速度10Gbps)」モードが追加されています。
参考 USB3.1
USBの転送速度は古い規格に依存
USBで最大のパフォーマンスを発揮するためには、USBの接続先も接続元も最新の規格に準拠している必要があります。
もし、USBを接続するどちらかの電子機器が古い規格であった場合、USBの転送速度は古い規格の速度に依存します。
例えば、パソコンのUSBポートはUSB2.0(480Mbps)の規格で、USBが3.1(10Gbps)だった場合、USBの転送速度はUSB2.0(480Mbps)となります。
USBの転送速度が遅いなと思った時は、差し込む側のUSBコネクタの規格だけでなく、パソコン側(受け入れる側)のUSBポートの規格も確認した方が良いです。
コネクタの形状の種類
USBコネクタの形状には、いろんな種類のものがあります。大きさや形などが異なるので一見ややこしそうですが、一度覚えてしまえば単純です。
以下7つのUSBコネクタの形状についてご説明します。
- USB Type-A
- USB Type-B
- USB Type-C
- Micro USB Micro-A
- Micro USB Micro-B
- Micro USB3.0 Micro-B
- Lighting
USB Type-A
パソコンに対して接続する標準的なUSBコネクタです。普段の日常生活で「USB」と言われているのはこの「USB Type-A」を指すことがほとんどです。
USB Type-B
プリンタなどのパソコン周辺機器に接続するUSBコネクタです。日常生活ではあまり使用するケースはないと思います。
USB Type-C
USB 3.1と同時期に制定されたUSBコネクタです。AppleのMacBookProで採用されたことで注目されています。
USB-Cの最大の特徴は「ケーブルの上下の向きを意識することなく差すことができる」という点です。
USB-Aでは上下が反対になると、ケーブルを差すことができないという課題がありましたが、USB-Cではその問題が解消されています。
USB Type-Cは使いにくい?
MacBookProではUSB Type-Cのみ採用されていて、使いづらいという声が多くあがっています。
私もMacBookProを買う前は、「データの取り込みなどでUSB Type-Aがないのは、少し使いづらいな」と思っていました。
しかし、USBハブ「TUNEWEARのALMIGHTY DOCK CM1」を購入して、USB Type-AやSDカードなどが繋がるようにしたため、今では特に気にならなくなりました。
むしろ、USB-Cにして、MacBookProが薄くて軽くなっていることを考えれば、それでよかったなと思っています。
USB-Cは敬遠されがちですが、USBハブを使えば、特に問題ありません。詳細はこちらの記事をご覧ください。
USB Type-C=USB3.1ではない
USB Type-CとUSB3.1は同時期に発表された規格であるため、USB Type-C=USB3.1と思っている方が多いです。しかし、USB Type-CのすべてがUSB3.1の対応製品ではないです。
例えば、Apple社の「MacBookPro」はUSB Type-Cで「USB3.1」を採用していますが、HP社の「HP Pavilion x2 10-n000」は同じUSB Type-Cでも、「USB2.0」を採用しています。USB Type-Cを購入する時には注意してください。
Micro USB Micro-A
Micro USBと聞くと、Androidなどで使われているUSBケーブルを想像すると思いますが、これはMicro USBの「Micro-A」で、Androidなどでは使われているのは「Micro-B」です。
形状も長方形になっており、Androidなどでは使えません。
Micro USB Micro-B
これはよく見かけるMicroUSBだと思います。
Androidのスマホなどで採用されているUSBコネクタです。形状は台形になっているのが特徴的です。
ちなみに、micro-USBはmini-USBの後継として開発され、mini-USBの欠点であった「1000回程度のケーブルの抜き差しによる破損」という欠点が解消されました。
micro-USBは、mini-USBと比べて耐久性に優れて、小さくて安いという特徴からmini-USBのシェアをどんどん奪っていったそうです。
参考 mini-USBやmicroUSBのA、Bの違いは?USB事情と全規格解説
Micro USB3.0 Micro-B
Micro USB 3.0 Micro-Bはかなり特徴的な形をしています。
普段、あまり目にする機会がないかもしれませんが、ポータブルハードディスクの差し込み口などで使われています。
Lightning
LightningはApple独自の規格です。LightningはiPhone5以降で採用されており、裏表を気にせずに使える(リバーシブル)ことが一番の特徴です。
iPhoneを使っている方にとっては馴染みのあるUSBの規格かと思います。
iPhoneのLightningUSBとUSB-Cは別物
よく混在されがちですが、LightningUSBとUSB-Cは全くの別物です。両方ともリバーシブルであることは同じですが、USB Type-Cの方が電源供給も可能であるなど、性能が高いです。
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